この話は友人とその母親の話です。
ある日、友人の母親は体調不良なのか、その場で倒れてしまいました。
友人はすぐに救急車を呼び病院にいきました。
彼は、
「母親が倒れてしまった。すまないが来てくれないか?」
とすごく息苦しそうに私に言いました。
「わかった」と私は病院に直行。
友人の母親はとても良い人で、幼い時に色々とお世話になった方でした。
病院に着いて友人に病状を聞いて見ると、診断は脳卒中。
彼は顔が真っ青になりながら、私に言ってきました。
私は友人に声をかけられず、ただ元気になってほしいと願うだけでした。
三時間後位にお医者さんが来てくれて
「かなり危険な状態です。私たちも努力をいたしますが、最悪を考えてください。」
というと、
友人はそのお医者さんにしがみついて
「頼む!なんとか助けて下さい。母親なんです。」
パニック状態の友人はお医者さんの胸ぐらを掴み言いました。
「落ち着け!おばさんはきっと元気になって戻って来る。お医者さんに当たっても仕方ないだろ!」
と私は仲裁に入り彼を説得しました。
泣き崩れる友人。
「お医者さん、友人の母親をよろしくおねがいします。」と私は一礼し、お医者さんも
「はい、わかりました。全力尽くします。」と頭を下げ治療室に戻っていきました。
友人の母親は一命は取り留めたものの、しっかりした意識がまだありませんでした。
友人は私に
「すまない。取り乱してしまった。今日はもう帰っていいよ。俺はまだいるけど、お前疲れたろう。ありがとうな。」
と言ってくれました。
私は、
「何かあったらすぐ連絡しろよ。すぐ行くから」
と彼に言って、その日は帰りました。
その夜、私は寝れずに翌日を迎えました。
その日から、私は仕事のため、彼とはメールや電話でやり取りする事になり、私は正直その事で頭がいっぱいで、仕事もままならない状態でした。
いつもメールなど見るなどして気になって仕方がありませんでした。
三週間後、一通のメールが入って来ました。
来てほしいの一言だけ書いてあり、私は仕事終わりに、病院へ直行しました。
友人の元へ行くと前回の時より元気が良く、聞いて見ると
「少しずつ回復へ向かっている。よかった。」と話すうちに友人は涙を流し始めました。
お医者の方が来て
「色々な処置をしてお母さんは、回復へ向かっています。今は心配いりません。」と言うと、友人は
「ありがとうございます。本当にありがとうございます。母親を助けてくれて、本当に本当にありがとうございます。」と何度も何度も繰り返しお礼を言っていました。
お医者さんがいなくなると
「ちょっとそこの喫煙所に行こう。」
と喫煙所に向かい友人はタバコを吸い始めました。
「やっぱり親は大事にしなきゃ、幼い時は色々迷惑かけて暴言とかもはいて来たけど、いざ親が倒れてしまったら、親がどれだけ大事かよくわかったよ。親に対して申し訳ない」
と真剣な表情で私に言いました。
「やっぱ医師って凄いな。正直お礼じゃ済まないような気がする。だって自分の親を助けてくれたんだからな。本当ありがたいな。」
「お前にも迷惑をかけてしまって本当にすまない。そしてありがとう。お前にも感謝しきれない。」
と言って友人は病室へ戻り、私も家へ帰りました。
今現在、友人の母親は、入退院はしていますが、元気になって生活しています。
友人の母親も
「お医者様のおかげで私は今を生きているし回復している。お医者様は本当に素晴らしい方達ね。」と言っていました。
友人も今は母親を介護をしながら生活をしていますが、本人は母親と過ごす時間を誰よりも大事にしているんだなと私には伝わりました。
私自身にも親がいますし、やはり親というのはすごく大事な存在ですし、何よりも愛さなくていけない方だと思います。
この事で私も親に対しての考え方が変わりました。
・このエピソードをお寄せ戴いた方
性別:男性
年齢:20代
お住まい:福岡県添田町
感謝を伝えたい方:医者
エピソードをお寄せいただき、ありがとうございました。