子どもが1歳の頃、発熱や病気などで小児科に頻繁に通っていました。
家から近い小児科でしたが、とにかく人がいつもいっぱいで予約がなかなか取れず、朝一で予約を入れようと思っても予約が取れず、夕方にようやく予約が取れるというような状況でした。
そのため緊急の場合は、他の病院に行かなければいけないのですが、大丈夫そうな場合は、家から近い小児科に行くようにしていました。
子どもの一番のかかりつけの小児科でした。
子どもが1歳になる前に離婚をして、引越しや仕事、保育園探し、育児などでものすごく忙しい時でした。
子どもを保育園に通わせて仕事をしたかったのですが、保育園はどこもいっぱいで、申し込みをしてもキャンセル待ちで、ずっと入ることができませんでした。
わずかな貯金を食いつぶしながら日々を送っており、保育園が決まってもこんなに病気をしていたら、まともに働けないと、不安に思う毎日でした。
子どもが病院に行くのは、風邪や発熱、胃腸炎、感染症などがほとんどで、入院することもなく診察と薬の処方だけですみましたが、病院に連れて行くだけで1日潰れることも珍しくありませんでした。
初めての子育てだったので、医師の先生や看護師さんのアドバイスはとても心強く感じていました。
月に10回以上、小児科にかかることもありました。
その頃は離婚してすぐで、相手に対しての憎しみに近い気持ちや、今後の生活への不安、夜泣きがひどい子どものお世話での毎日の睡眠不足などが重なって、毎日を辛いと感じていました。
病院で子どもの話をすることはあっても、自分の心の中の話をすることはありませんでしたが、子どもの調子がなかなかよくならず、少しよくなったと思ったら別の病気になってまた通院、ということが繰り返すことがあり、しょっちゅう病院に行っていました。
私の顔色が悪かったのか
「お母さん大丈夫ですか?」
「しっかり休養とれていますか?」
と病院の先生と看護師の方に言われたのがきっかけでした。
最初は、
「ちょっと疲れている、夜泣きで睡眠不足です」
程度の話をしただけでしたが、頻繁に会っているからなのか、子どもの体調だけでなくこちらの心配をして下さりびっくりしました。
数日続けて病院に通うことになっていて、そのたびに少しずつ会話をしたのを覚えています。
小児科だからと、子どもの話だけを心掛けていましたが、こちらの心配をして下さり、それに甘えて少しだけ自分のいっぱいいっぱいな気持ちを話してしまいました。
すると医師の先生や看護師さんに親身になって聞いて頂き、
「うんうん、大変だったね。」
「もうしばらくしたら子どももよくなるし、心配いらないよ」
「そんなに頑張らなくてもいいよ」
という言葉でしたが、なぜだかその言葉だけですごく救われました。
頻繁に病院に通って、子どものことで接するだけでしたが、こちらの様子が何となく伝わっていたのだなと思いました。
ご近所さんや友人と会う時は外の顔で接していましたが、病院の時は普段の顔が出ていたのだと思います。
医師の先生や看護師さんに、こんな自分の話をすると想定していなかったので、自分でもびっくりしましたが、ご近所さんや友人とは違う立ち位置の方だから話しやすく、自分の気持ちも癒されました。
自分の気持ちを吐き出すのは、友人には申し訳ないやら恥ずかしいやらでなかなか本音を全部言うことはできませんでしたが、医師の先生や看護師さんには頼りたいという気持ちがあったのかもしれません。
医師の先生や看護師さんにとっては何でもないことだったと思いますが、私にとってはとても力が抜けた出来事で、本当にありがたかったと感謝しています。
その後
「この前はありがとうございました」
とお礼は伝えましたが、それ以後は先生や看護師さんから根掘り葉掘り聞いてくることもなく、温かい目で見守ってもらっているような感じで、とても心強いなと思い、前向きな気持ちになりました。
・このエピソードをお寄せいただいた方
性別:女性
年齢:30代
お住まい:熊本県熊本市
感謝を伝えたい方:小児科の医師の先生と、看護師さん
小児科の医師の先生と、看護師さんとのエピソードをお寄せいただい、ありがとうございました!