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医療・介護職のやりがい・ありがとうエピソード集

【胆管がん】私の大事な家族が素敵な先生に診てもらえた事に、とても感謝しています。

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私の曽祖母が入院した時のお話です。


私の曽祖母は当時96歳でしたが、認知症や大きな病気もなく過ごしていました。


ある日、食欲がないということで病院を受診。

 

検査の結果、胆管に癌がある事が分かり、入院することになりました。

 

入院前に口からカメラを入れて、詳しい検査をしましたが、癌が大きく、カメラが通らない部分がありました。

 

高齢でしたので手術はしないことになり、保存的に経過を診ましょうと言われていました。

 

ところが、

「何で自分は元気なのに入院しないといけないんだ」

「こんなところで眠れない」

「お腹が空いたからご飯を出して」

など落ち着きがなく一日を過ごしていました。

 

自分で入院を希望したわけではなかったので、なかなか受け入れきれないところがあったのだと思います。

 

翌日面会に行った時に、当時主治医だった先生に様子を聞かされ、私は

「迷惑をおかけして申し訳ありません」

と謝りました。

 

しかし、先生から

「僕がちゃんと○○さん(曽祖母)の気持ちに寄り添えなかったからです。帰りたいという気持ちを尊重して、退院を考えています。」

と言われました。

 

私は看護師として病院で働いていましたが、

「ご本人が帰りたいと言っているから退院させてあげよう」

という先生はあまりいなかったので正直驚きました。

 

入院したことで環境が変わり、落ち着かなくなるのは高齢の方にはよくある話で、仕方のないこととも思っていました。

 

もちろん先生が悪いわけではありません。

 

それなのに、「自分の責任です」と謝る先生は初めてでした。

 


結局曽祖母は退院し、元の生活に戻りました。

 

しかし食べれないことが続き、数日して体調が悪化したため再度入院。

 

主治医は前回と同じ先生でした。

 

2回目の入院では、看取りが目的でしたので、最初から個室での入院でした。

 

しかし、やっぱり落ち着かず「帰る!」と荷物をまとめて帰ろうとすることが続きました。

 

私の事も誰か分からなくなり、「あんた誰!?」と怒られる事もありました。

 

そんな中で、先生は時間があれば曽祖母のところに行き、怒ってばっかりの曽祖母を無理に説得するわけでもなく、ただただ話を聴いてくれていました。

 

大きい病院でしたので、その分受け持ちの患者さんも多くいましたが、忙しい合間をぬって足を運んでくださいました。


無理な治療はしない事になっていましたので、点滴も嫌がる間はせず、食べたい物を食べて過ごしました。

 

少しずつ体力が落ち、自分で歩けなくなり、寝たきりになってしまいました。

 

その頃には帰りたいということもなくなっていましたが、落ち着いたからなのか、私の事は認識できていて名前を思い出してくれていました。

 

曽祖母が落ち着いてからも先生はよく足を運んでくださいました。

 

曽祖母も先生に対して、「あの先生は、良い人ね」と言っていました。


癌が分かってから1ヶ月ほど経ち、曽祖母は息を引き取りました。

 

点滴もあまり多くは行わなかったので、顔や体は浮腫むことなく、生前とあまり変わらない綺麗な状態でした。

 

最期は間に合いませんでしたが、苦しむ様子はなく、大きく息を吸った後に呼吸が止まったと父から聞かされました。


息を引き取った後は、看護師さんが時間をかけて丁寧に体を拭いたり、お化粧をしてくれて、とても綺麗にしてくれました。

 

お見送りにも沢山の方が来てくれて、身内が少ない曽祖母には有り難い光景でした。

 

残念ながら主治医だった先生は曽祖母が息を引き取る数日前に、転勤で別の病院へ行かれてしまっていました。

 

しばらく経ってから、Facebookで先生を見かけたので、曽祖母が息を引き取ったこと、とても感謝していることを伝えました。

 

最期まで診ることが出来なかった事に対して申し訳ない気持ちがあったこと、

曽祖母が苦しまずに息を引き取ったことに対して良かったと言ってくれました。


私の大事な家族が素敵な先生に診てもらえた事に、とても感謝しています。

 

 

・このエピソードをお寄せいただいた方

性別:女性

年齢:20代

お住まい:鹿児島県奄美市

感謝を伝えたい方:医師

 

 

エピソードをお寄せいただき、ありがとうございました!