私が初めて出産をした時の話です。
本やネットでは、色々と陣痛や出産時についてのことを調べていたつもりで、それなりに覚悟もしていたつもりでした。
しかし、いざ予定日を迎えても陣痛が来ず、不安な日々を過ごしていました。
予定日から6日目の夜、急にお腹がそれまでと違う痛みに襲われました。
陣痛か?と思い間隔をはかることにしました。
ネットでも病院でも、少しずつ間隔が縮まっていくとなっていたので、あまり焦っておらずのんびりとしていました。
しかし、ものの2時間ほどで急に5分間隔になり、焦って病院に連絡して、すぐに向かう事になりました。
病院についてから、子宮口はあまり開いていないものの、家と病院が遠いために、念のために入院という形になりました。
しばらくは陣痛室にて様子見と言われ、その後、病室に移動すると言われました。
しかし、その後急にお産が進み、それまでとは比べものにならないほどの痛みに襲われて、涙が出てきました。
里帰り出産だったために、主人は県外におり、入院と聞いていた両親は、先に病室に待機していました。
そのため陣痛室には私一人で誰もおらず、不安の中での激痛でした。
あまりの激痛に声が抑えられず、うんうん唸っていると、すぐに助産師さんが来てくれました。
頭が真っ白で何も考えられない私に、助産師さんはゆっくりと呼吸の仕方を教えてくれました。
それでも痛みが引かず、パニックになる私に
「大丈夫、大丈夫」
と優しく励ましてくれました。
私が唸るたびに、助産師さんか看護師さんが来てくれて、呼吸法を教えてくれました。
その助産師さんに教わった呼吸法を繰り返していましたが、痛みは収まらず、言われた呼吸法もできなくなってきた時、看護師さんにも同じように呼吸法を指導してくれました。
言われても出来ずにいると、看護師さんに
「◯◯さん、しっかりしなさい」
とピシャリと言われました。
そう言われた時、ハッとしました。
できるできないではなく、やらなければならないことだとやっと気が付きました。
その厳しい言葉で頑張ろうと奮い立つことが出来ました。
そこからは必死で、どれだけ苦しかろうと、ただただ言われた呼吸法をすることにだけ専念しました。
また、その後、その看護師さんが母を呼んできてくれたために、一人じゃない状態にもなりましたし、気持ち的にも少し楽になれました。
いざ出産の時にも、いきんではいけないと言われても、気が付いたらいきんでしまっていた私に、助産師さんは
「無理にいきんでもお母さんが辛い時は赤ちゃんも辛いのよ!」
と言われました。
自分の事で精一杯だった私に、赤ちゃんの存在を思い出させてくれた言葉です。
「赤ちゃんの心音を聞きながらゆっくり産もうね」
ともおっしゃってくれました。
また、呼吸法やいきみかたなど、うまくできると褒めてくれたりもしたので、最後まで頑張ることができました。
いきみながら涙が止まらずにいましたが、看護師さんが優しく何度も涙を拭ってくれました。
無事に赤ちゃんを出産した後、
「よく頑張ったね」
とたくさん褒めてくれました。
また、色々な後処理をしている間にもたくさんの話をしてくれたために、気がついたら後処理も終わっていたような状態でした。
病室に戻る際にも、私の体を支えながらゆっくりと歩いてくれましたし、私を支えてくれている手がとても暖かかく優しかったことを覚えています。
初めての出産で不安な事がたくさんある中で、頼れる助産師さんと看護師さんに出会えて本当に良かったと思いました。
お二人の言葉があったからこそ頑張れた部分もあると思います。
おかげで医師の先生や助産師さんはもちろん、周囲の人にも驚かれるほどの安産でした。
このお二人には今もとても感謝しています。
・このエピソードをお寄せいただいた方
性別:女性
年齢:20代
お住まい:石川県七尾市
感謝を伝えたい方:助産師さん、看護師さん
エピソードをお寄せいただき、ありがとうございました!