病院に長期入院していた頃の話です。
高校時代に親元を離れて長期入院しなければならなくなった私は、高校生にもかかわらず、すごくホームシックにかかってしまいました。
夜な夜な泣いて、ベッドの枕を濡らしたのを覚えてます。(お恥ずかしい話ですが…汗)
その時の受け持ちであった看護師さんが病室に入ってきて、ベッドの横に座ってくれました。
私は、なんか言われるのかなと思っていました。
泣くのは恥ずかしいこととか、批判されるのかと思ったのです。
しかし、その方は批判をすることはなく、
「泣きたい時は泣いていんだよ。」
と言ってくれたのです。
その人は、私のお母さんよりも年配の方でした。
その時、私は泣くことが恥ずかしいことではないのだと、実感することができたのです。
泣くという行為が恥ずかしいこととずっと思っていた私は、自分の感情を溜めて抑えられなくなるまで我慢する傾向にありました。
なので、泣いた時はハンパないといいますか…(笑)
過呼吸を起こすくらいになってしまうんです。
しかし、その時に看護師さんから言ってもらえた言葉により、気持ちがよく楽になりました。
素直になっていいということを知り、本気で泣いたことを覚えてます。
それから、その看護師さんがわたしの相談相手になり、病院のお母さん的な存在になりました。
病院という存在自体、あまり好きでなかったのですが、その日以来、その方と関わることでとても楽しい空間となっていきました。
寂しかったわたしの気持ちを、嘘かのように崩してくれました。
長期入院を終え、いざ退院するとなったある日。
とても寂しい気持ちになったのを覚えてます。
悩んだ時も寂しいときも、嬉しかったときもそばにいてくれた看護師さん。
その看護師さんと別れるのがすごく寂しく思いました。
その時に大泣きしたのを鮮明に覚えてます。
今のわたしは、あの時に感情を出せたことがすごく力になってるなと感じます。
感情は、抑えてはいけない。
苦しくなる前に吐き出していい。
そのことを知るきっかけになりました。
社会を生きてると、辛いことも苦しいこともたくさんあります。
そこでは、感情を抑えないといけないこともたくさん出てくることでしょう。
そんな時は、見てくれてる人の前だけでもいいから、素直になることが一番だと思います。
わたしも今は大切人の前では素直になります。
確かに強がることもあるけど、できる限り、甘えるようにするようにしてます。
人は一人では生きていけない。
助け合いながら生きていく。
それを知ったのが高校時代でした。
看護師という仕事は、本当に大変な仕事だと思います。
人の命と常に隣り合わせでいないとならない現場になっているからこそ、辛いこともたくさんあるのではないかと感じます。
だからこそ、感情にも敏感になるのかなと思います。
病気を治すことはもちろんですが、心のケアもしてくれた看護師さん。
今は全く連絡を取っていないのですが、いつかまたお会いしたいなと思ってます。
私の気持ちを落ち着かせてくれて、いつも心の支えになってくれた人。
家族ではないけれど、私にとって本当の家族のような存在になっている方です。
あの時感じた感情を、私も周りの人に伝えていきたいと思ってます。
私にできることを少しでもしていくことが、あの時助けてもらった、気持ちを救ってもらった恩返しに繋がるのかなと思ってます。
これから先、辛いことがあったとしてもその時のことを忘れないこと。
そして、私もその時に感じたことを周りにもしてあげたい。
そう思いました。
あの時の出会いは一生忘れることはないでしょう。本当にありがとうございます。
・このエピソードをお寄せいただいた方
性別:女性
年齢:20代
お住まい:愛媛県松山市
感謝を伝えたい方:看護師さん
エピソードをお寄せいただき、ありがとうございました!