息子が4歳の誕生日直前に、急性リンパ性白血病になりました。
突然の入院で、まさか我が子がそんな大きな病気になるとは思ってもいませんでした。
2歳になる弟もいましたが、入院する息子にはずっと付き添わなければいけないので、ママっこでまだ母乳も飲んでいた下の子を置いて、息子との入院生活がはじまりました。
色々な制限の多い入院生活が始まり、担当の看護師さんがつきました。
医師の先生から、「まずは息子さんに嘘なくこれからのことを話して、薬をきちんと飲むように話をしてください」と言われました。
辛い治療をこれからやって行くのに、嘘やごまかしはできません。
小さい子供に薬を飲ませることは大変ですが、息子には薬を飲まないと病気が治らないことなど、すべてきちんと一人の人間として向き合って話をしました。
入院中には採血や骨髄採種、抗がん剤など辛いことがたくさんありました。
看護師さんや医師の先生は、そんな子供達のために少しでも楽しくいられるように、いろいろな心遣いをしてくれました。
採血した後は子供が好きな絆創膏を選ばせてくれて、貼ってくれました。
また、点滴の時は、ルートを固定するためのテープに、子供が好きなアンパンマンなどを書いて、貼ってくれました。
点滴の入っているパックのカバーにも、子供の好きな絵を描いてくれたりして、それを見た子供が、笑顔になり喜んでいる姿を見ると、感謝でいっぱいでした。
採血や色々な検査がありましたが、親は子供のそばにはいさせてはもらえなかったので、処置室の外で子供の泣き声を聞きながら、辛い思いをして待つしかありませんでした。
骨髄検査の時は特にかわいそうでした。
ある日、処置室の中から先生の怒鳴り声が聞こえて、息子に向かって怒っていたので、とても待っていて辛くなりました。
なんで小さい息子が頑張っているのに、そんなに先生が怒るのか納得がいかず、処置が終わった後担当の看護師さんに、何で先生は息子にあんな風に怒るのか納得がいかないし、すごくショックだった事を伝えました。
看護師さんはすぐに医師の先生に話をしてくれて、先生が謝りにきてくれました。
骨髄検査の時に動いてしまうと危ないので、つい大きな声が出てしまったようです。
看護師さんがこちらの気持ちを理解してくれて、医師の先生に素早く話をしてくれて対応をしてくれたおかげで、納得いきました。
元気になってすべての子が家に帰れるような病棟ではなかったので、たくさん悲しい思いもしてきましたが、そこで働いている医師の先生や看護師さんは本当にすごいなと思いました。
病棟にお見舞いにいっても、子供は入ることができないので、いつも下の子は外の待合室で待っている事しか出来ず、兄弟で会えるのはガラス越しでした。
そんな弟にも、看護師さんは優しく声をかけてくれたので、うれしかったです。
先生や看護師さん以外でも、看護学生さんが担当に付いてくれたことが、何度かありました。
とてもみなさん優しくて、今でも覚えている看護学生さんは、息子をすごく可愛がってくれました。
その看護学生さんは、病気が早く治るようにと思いを込めて、犬の可愛い置物を手作りで作ってくれて、プレゼントしてくれました。
息子はもう今は高校生になり入院していた時のことなど記憶にあまりないようですが、看護学生さんからいただいた犬の可愛い置物は、今でも大切に机の上に飾ってあります。
病気になって、最初は何で我が子がこんな思いをしなければならないのかと、思うことが多かったです。
しかし、息子が病気になった事で、いろんな人と出会うことができて、たくさん助けてもらいました。
病気にならなければ、そんな環境で暮らしている人たちがいる事なんて知らずに暮らしていたんだなと思うと、とてもいい経験になりました。
看護師さんや医師の先生方の存在は、すごいなと思う事ができました。
たくさんの優しさや、頑張ることを教えてもらいました。
ありがとうの気持ちでいっぱいです。
・このエピソードをお寄せいただいた方
性別:女性
年齢:40代
お住まい:愛知県半田市
感謝を伝えたい方:医師の先生、看護師さん、看護学生さん
エピソードをお寄せいただき、ありがとうございました!