私の甲状腺の病気が表われたのは、6年前の高校生の時でした。
女の子なのにしこりのようなものが首にできていました。
その時は大したことないと思っていたのですが、4年前の正月に、小児科医のいとこに、首にのどぼとけの大きさのものがあると言われ、一度大学病院を受診した方がいいと思うと勧められました。
大学病院の外来で診察を行ってもらうと、腫瘍で、良性か悪性はわからないけれど、この大きさのものは切除した方がいいとのことでした。
後日ついた病名は、良性の甲状腺の腫瘍でした。
その病気で入院した際に、手ごろな個室を希望しましたが、空床がなかったため特別室、いわゆるVIP病棟に入院しました。
首の手術になるので、当時私はダンスをやっていたため、大好きなダンスができなくなるのではないかと心配でした。
そんなに難しい手術でもないので、1週間の入院予定でした。
入院した次の日に手術でしたが、その週は女の子特有のアレの週であり、心配でしたが手術自体は無事に終わりました。
病室に戻って目が覚めるとぐるぐると視界が回っていました。
麻酔は覚める時に気持ち悪くなると聞いていましたが、案の定気持ち悪くなり、様子を見に来たベテランのナースが、ベッドの高さを変えた瞬間、嘔吐してしまいました。
当日から絶食のため、何も食べていないのに嘔吐し、他からもナースが応援にやってきました。
首を動かせないので体をふいてもらい、さっぱりしましたが、アレの処理ができなかったのです。
しかし、先ほどのベテランではなく若手のナースが、
「しんどいね」
と気遣ってくれながら処理をしてくれました。
本当に申し訳ない気持ちになったし、同時に感謝しました。
しかしこれで終わりではありませんでした。当日夜に嘔吐により首に負担がかかり、術後出血を起こしました。
血が止まりにくい状態になっていたのか、首がパンパンに腫れ、死ぬのではないかと思いましたが、先ほど処理をしてくれたナースが引き続き勤務していたため、ナースコールをすると飛んできてくれました。
すぐに担当医に連絡してくれ担当医もすぐに来てくれました。
担当医がきたタイミングで先ほどのナースは、
「先生来たので私帰ります。大丈夫よ。明日来るからね」
と言ってくれました。
すぐに深夜に緊急オペになりました。
あのまま放置されていれば、術後出血で亡くなる人もいたそうなので、あの時ナースが気づいて、連絡をしてくれなければ私はどうなっていたのかわかりません。
彼女は、仕事をこなしただけかもしれませんが、少なくとも二回目の手術になった時点でふさぎこんでいた私の心を一番癒してくれました。
二回目のオペが終わってからも他の部分から出血したり、こまごまとした事件が続きましたが、無事退院できました。
本当は1週間の入院といわれていましたが、実際は2週間の入院でした。
この2週間の入院期間で何人ものナースが援助してくれましたが、緊急オペになったときにすぐにかけつけてくれたナースには、本当に感謝しています。
私が今回の入院期間で思ったのは、ベテランだから、若いからではなく、経験上の感覚も大事だけれど、真心をもって人に接することはより、相手に伝わるということです。
医療従事者の中でも、ナースは特に人の嫌がる仕事をやっていると思います。
患者に怒られ、先生に怒られ、それでも力強く頑張っているように思います。
医療従事者は私たちにとってなくてはならない存在です。
しかし、医者やナースは、寝る間も惜しんでオペしたり、文献を読んで手術法を確認したり、タフじゃないとやっていけないと思います。
命を扱う現場だからこそ責任のある仕事ですが、もっと待遇をよくしてもいいのではと思います。
本当にありがとうございました
・このエピソードをお寄せいただいた方
性別:女性
年齢:20代
お住まい:大阪府枚方市
感謝を伝えたい方:看護師
看護師とのエピソードをお寄せいただき、ありがとうございました!