管理栄養士として、精神科病院の食事を提供しています。
献立作成や発注業務、入院患者様の栄養管理や栄養指導に携わっています。
食事の時間に、病棟を訪問して、食事風景を見て回っています。
その時に、患者様から声を掛けられ、食事の感想や食べたいものへの意見をいただくことがあります。
精神科の入院日数は、短い人がいる中で長期にわたる人も多くおられます。
長期にわたる人は、入院生活が生活の軸になっているため、飽きの来ない食事を提供し続けたいと思っています。
そのため、毎日の食事がマンネリ化しないように、四季折々の食材や行事食に力を入れて提供するよう心掛けています。
食材料費の高騰する世の中で、色んな工夫を出して食事の質を下げない努力をしています。
もちろん栄養面に関しても、一人ひとりに合った栄養が行き届くように、血液検査の結果や体重等の測定値で確認しています。
行事食は、いつもの食事よりも豪華な食材と盛り付けを、調理場スタッフと一緒に提供時間ギリギリまで調理しています。
正直疲れますが、食事時間に病棟を回ると、
「こんなに豪華な食事、病院で食べれると思っていなかった」という感想や、
「美味しいよ!」や「ありがとう」と声を掛けていただけると、
先程までの疲れは一気に吹き飛ぶ思いでいっぱいになります。
直接顔を合わせて、食事について話し合えることを嬉しく思います。
入院患者様にとっての楽しみは、3食の食事といっても過言ではないと私は思っています。
病棟に張り出された献立表を見て、「〇月〇日のお昼の献立、楽しみにしています」と声を掛けていただくこともあります。
退院間際になって、私たち管理栄養士や調理場スタッフへの感謝のお手紙をいただくこともあります。
「美味しかったです。お世話になりました」といった手紙が主ですが、「自宅に帰っても、ここで食べた和え物を作ってみようと思います」というお手紙をいただくこともあります。
病院食は美味しくないというイメージがあるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
調理場スタッフの愛情たっぷりの食事は、患者様にちゃんと届いていると感じています。
もちろん、美味しくないという厳しいご意見をいただくこともあります。
全く箸をつけてくれないこともあります。
何度か涙が出そうなこともありましたが、そういった患者様でも、心に寄り添うことでいつしか一口、また一口と食べてくれることもあるのです。
管理栄養士として、貴重な経験をさせていただけていることに感謝しています。
・このエピソードをお寄せいただいた方
・性別:女性
・年齢:20代
・お住まい:山口県周南市
・ご職業:管理栄養士
・勤務している診療科:精神科
・勤務施設の規模(職員数):約130人
エピソードをお寄せいただき、ありがとうございました!