ここぴたる!

医療・介護職の「ありがとう」エピソード集

臨床検査技師は普段検査ばかりですが、採血という患者さんと接する機会で、感謝してくれる人もいるのだという実感が湧き、やりがいを感じました。

f:id:cocopital:20180812085549p:plain

まだ私が、病院に就職したての頃の話です。


どこの病院でも、臨床検査技師は、就職するとまず始めに、慣れたして外来の患者さんの採血を行うことが多いです。

 

私が就職した愛知県にある病院も、まずは新人の臨床検査技師は外来の採血にまわされます。


まだまだ新人なので、先輩や同僚の腕を借りて、練習をたくさんしてから、患者さんの採血をするようになります。


その日は、練習も終わり、患者さんの腕で採血をしてから1週間くらいのときでした。


ご高齢の女性の患者さんでした。歳を取ると、血管がなかなか出て来ずに、血管自体も動きやすくて、採血するのはとても難しいのです。


私の病院の決まりとして、1回針を入れて刺してみて、血を取るのが無理そうだったら、2回目は無理をせずに、先輩を呼んで、採血を代わってもらうのことになっています。


そのご高齢の患者さんの血管は、案の定細くて、動きやすく、新人の私はうまく採血ができませんでした。


うまく取れないと、患者さんは当然痛いので、文句を言ったり、あとから苦情の電話してきたり、その場で怒鳴ってしまったりする人もいます。


そのような患者さんを担当したこともあり、またそのように怒られると思い、怖い気持ちと、急がなくてはいけない気持ちで、いっぱいいっぱいになっていました。


私が担当していた、そのご高齢の女性の患者さんは、そんな私を見かねてか、優しく、「新人さんだからしょうがないね」「たくさん、私の腕を使って練習してね」「孫がそのくらいの歳だから、応援しているよ」「落ち込まなくていいよ」とお声がけしてくれました。

 

そのあと、やはり先輩に採血を交代してもらい、無事に患者さんの採血は終わりました。


最後に、患者さんに、「頑張ってくれてありがとう」と、出来なかった私に対しても、感謝の言葉をかけていただきました。


まだまだ新人で、新しい生活に慣れていなかったときに、採血で失敗して、落ち込み気味だった私にとって、その時の言葉はとても力になりました。

 

その後も、採血で失敗してしまうことは、多々ありますが、その患者さんのことを思い出して、頑張っています。


怒鳴ってしまう方もいますが、こちらが、どのように接すれば穏便にすませるかも考える機会になりましたし、もっと私自身の採血のスキルを磨きたいと思える体験でした。


また、私自身が病院で患者の立場になったときも、慌てているような新人さんを見た時は、頑張れと思うだけでなく、積極的に声をかけることで、少しでも心が落ち着いてくれればいいなと思っています。

 

普段、臨床検査技師は、検査をするばかりで、患者さんに感謝されることは少ないですが、採血という、患者さんと接する機会で、感謝してくれる人もいるのだという実感が湧き、医療職で、よかったとやりがいを感じました。

 

・このエピソードをお寄せいただいた方

性別:女性

年齢:20代

お住まい:愛知県名古屋市

ご職業:臨床検査技師

勤務施設:総合病院の臨床検査科