ここぴたる!

医療・介護職の「ありがとう」エピソード集

歯科医師の私に、患者様から結婚式のお写真が送られてきました。「親子でハレの笑顔。ありがとう」とメモがあり、とてもうれしく思いました。

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歯科治療をしていると、虫歯治療が完了した後に、かぶせ物をすることがあります。

 

銀歯やセラミックでできたかぶせ物は、治療が1日で完結するものではないので、治療期間中は、仮歯(かりば)を作成し、患者様のお口にセットしています。

 

特に前歯の場合には、お話をする際などコミュニケーションを取る際に、違和感があると困るので、仮歯とはいえ、丁寧に作成しています。

 

そのため、「これは仮歯ですよ、1週間後にまた来てくださいね」とお伝えしても、良くも悪くも、もうこの歯で十分!と思っていただけるようで、たまに仮歯が壊れるまで再来院されない患者様がいらっしゃいます。

 

仮歯は永久的に使用できる素材ではないため、1年と持つものではありません。


以前、中年の男性の患者様が上の前歯2本の治療を行い、仮歯をセットしました。

 

お忙しい方で、1週間後には必ず来てくださいと伝えましたが、予定の変更や、キャンセル続きとなり、再度来て頂いた時には、3か月が経っていました。


前歯が取れてしまった状態のため、マスクをして来院され、患者様はかなりご立腹で、前歯が壊れて困る!と不機嫌な状態で、歯科衛生士に文句を言っていました。

 

もともと少し、押しの強い印象の患者さんのため、担当した歯科衛生士は、萎縮してしまっていました。


こちらは、1週間くらいで再来院が必要なことを何度も伝えていたので、「3か月もよくもちましたねー。」と患者様のお怒りを意に介さずといった感じで、マイペースに対応していました。

 

お話をしているうちに、仮歯であり、続きの治療が必要であることを失念していたことを思い出したようで、だんだんと落ち着いていき、

「先生が上手に仮歯を作りすぎるからだ(笑)」

といった感じで冗談を言ってくれるようになりました。

 

そんなこんなで、引き続き何度か通院をしていただき、前歯にごく自然な印象を受ける新しい白いかぶせ物がセットされ、治療が完了しました。

 

通院中には、大学生の娘さんのお話をしたり、いいお父さんなんだろうなぁと思っていました。


前歯の治療以降も、定期検診に通っていたのですが、転勤で他の地域単身赴任されたため、来院されることがなくなりました。


その後、3年くらいたってから、その患者さんから病院にお電話がありました。

 

娘さんが以前他院で治療した前歯のかぶせ物が取れてしまい、新しく作り直したいとのことで、単身赴任先からわざわざ当院に電話をかけてくれました。

 

娘さんは、当時当院まで電車で1時間くらいのところに住んでいたので、どこか通いやすい知り合いの先生をご紹介しますよと、お伝えしたのですが、

「2か月後に娘の結婚式がある!だから先生で!娘から後で予約の電話が行くから!」とお答えいただきました。

 

歯科医をやっていると、このかぶせ物うまく入ったなぁ、上手にきれいにできたなぁと自分でも満足する領域の出来の時があるのですが、3か月仮歯をご使用の上、治した男性の前歯も上手に出来たと思うかぶせ物でした。


患者さんご自身も満足していただいたようで、娘さんの人生の大切なイベントに向けて急きょ歯を治すことになり、治療を任せるために当院を思い出してくれたのがとてもうれしかったです。

 

無事に娘さんの治療も終わり、結婚式も終わり、患者様から結婚式のお写真が送られてきました。

「親子でハレの笑顔。ありがとう」とメモがあり、とてもうれしく思いました。

 

・このエピソードをお寄せいただいた方

性別:女性

年齢:30代

お住まい:東京都文京区

ご職業:歯科医師

勤務している施設、診療科:総合病院の歯科

勤務している施設の職員数:200人

 

エピソードをお寄せいただき、ありがとうございました!