私は大学生のころから大学病院に併設されている、障がい者の方のためのリハビリサロンで働いています。
7人のスタッフで運営している、こじんまりとしたリハビリサロンです。
スタッフは大学生のアルバイトの方もおり、基本的には臨床心理士を目指している方々で運営しています。
このリハビリサロンではカウンセリング等の医療行為を行うことはありません。
単に障がい者の方が心から安心して過ごしていただくことを目的としています。
いくら障がい者の方への理解が普及し始めたといっても、まだまだ完全に過ごしやすいとは言いがたいのが現状です。
同じ境遇の方と接し、お話しする中で、だんだんと社会に馴染んでいく練習をしていく場所でもあります。
私はここで自家製のケーキを出しています。
利用者の方からは、よく「美味しい」と言っていただけるんですよ。
その言葉が嬉しくて、もっと美味しいものを作れるようにと頑張っています。
またある人は、趣味で豆から挽いた本格派のコーヒーを出しています。
たまに利用者の方にも豆挽きを体験していただきます。
営利目的ではないため、お金はいただいていませんが、稀に利用者の方からは運営費用として寄付をいただいたりもします。
利用する障がい者の方の収入は低いはずなのに。
もし私が逆の立場であれば寄付をするだろうか?
と考えることもあります。
だって自分の生活をしていくのがやっとのはずだからです。
そう考えると、利用者の方々の優しさに温かい気持ちになるとともに尊敬します。
またなかには、お礼としてお手紙をいただくこともありました。
私はお茶やケーキを出しているだけです。何も特別なことはしていません。
お手紙には「いつも素敵な笑顔をくれてありがとう。」と書いてありました。
人にそんなことを言われたのは初めてでした。
とてもうれしかったです。
普通の会社員をしたままでしたら、体験できなかったことだと思います。
この仕事にやりがいを感じた瞬間でした。
私は利用者の方に、「笑顔にしてくれてありがとう」と伝えたいです。
それに伝えなければいけないと思います。
お互いに無関心な関係が当たり前になっている最近では、
”人にやさしくすること”
”素直でいること”
の大切さが、希薄になってきている気がします。
だからこそ、今回のような嬉しいこと、素敵だと思ったことがあれば、素直に相手にお伝えしなければと思っています。
私は今のお仕事をしていてよかったと、日々感じています。
・このエピソードをお寄せいただいた方
性別:女性
年齢:30代
お住まい:東京都
ご職業:大学病院併設のリハビリサロンの店員
勤務施設:大学病院併設の障がい者の方のためのリハビリサロン(基本的には臨床心理士を目指している方々で運営)
勤務している施設の規模(職員数):7人
エピソードをお寄せいただき、ありがとうございました!