調剤薬局の薬剤師としてのやりがいを感じた瞬間は、患者さんの飲んでいる薬について、こちらが服薬指導やアドバイスをしたことによって、症状がよくなったり、落ち着いたと言われた時だと思います。
また定期的に通院している患者さんから、薬の受け渡しは私がいいと指名を受けると、嬉しかったです。
調剤薬局で働いていると、対応するのはお年寄りや小さいお子さんを連れたお母さんが圧倒的に多いので、とにかくわかりやすく説明することを心掛けていました。
現場で感じたことは、患者さんは自分で病気や薬のことを調べたりすることなく、とにかく医師に言われた通りにするという主体性に欠けた人が多いということです。
このため、患者さんにはまずどんな症状で病院に掛かったのか、医師からはどのような診断を受けたのかということを聞き、処方されている薬がどういった症状に効果があるのかを理解してもらうようにしていました。
小さいお子さん連れの方だと、何度も同じような薬を処方されることも多く、徐々にまだ家に余っている薬があることや、お子さんが処方された薬の味が苦手で飲みづらそうであることを相談してくれるようになりました。
処方日数や処方薬の変更を積極的に行うことで、より相談や要望を薬局で伝えてくれることが増え、やりがいを感じることが多かったです。
お年寄りの方は、複数の医療機関に掛かっている人が多く、自分が何の薬を飲んでいるのかわからないまま服用しているという事例が多かったです。
このため、おくすり手帳を活用したり、一度自分が飲んでいる薬を全部持参してもらい、服用薬の整理をしたこともありました。
その後は写真入りのお薬の説明資料で、飲んでいる薬の効能を何度も説明し、毎日きちんと服用するように指導したり、どうしても飲み忘れがある場合は服用する薬剤をひとつにまとめて袋詰めしたりと工夫することで、最終的には患者さんや患者さんの家族から感謝されることもありました。
患者さんとの信頼関係を築くことで、薬を飲んで、何か副作用が起こった時に連絡していただいたり、他の病院で新しい薬をもらった時に相談しにきてくださったりと、自分にとっても勉強になるような機会をもらうことも多く、また頼りにされていると感じることで責任感を身に付けることができたと感じています。
特に副作用に関しては、現場では添付文書上には記載されていないようなもので、患者さんから
「なんかお腹が張るかも・・・」
とか、
「ちょっと脱毛が多い気がする・・・」
などという不定愁訴を聞くこともあり、製薬会社への問い合わせをすることで、さらに自分の知識を広げることができたと感じています。
・このエピソードをお寄せいただいた方
性別:女性
年齢:20代
お住まい:大阪府大阪市東成区
職種:薬剤師
勤務施設:調剤薬局
薬剤師としての経験年数:2年
施設の規模(職員数):7人
エピソードをお寄せいただき、ありがとうございました!