
私は以前整形外科の門前の調剤薬局で働いていました。
整形外科なので、おじいちゃんおばあちゃんが多くて、80歳過ぎているのに、1人暮らしの方もたくさんいらっしゃいました。
皆さん、私を孫のように可愛がってくれて、休憩時間や仕事帰りに寄っていってと言われて、よくお茶をいただいていました。
「こうやって話してるだけで元気になる」
と言ってくれて、すごく嬉しかったことを覚えています。
薬を渡すだけが仕事じゃないと思っていましたし、身体と同時に気持ちも元気になるお手伝いができることが、薬剤師の仕事だとも思っていたので、私としてもすごく充実した毎日でした。
仲が良い一人暮らしのおじいちゃんがいいたのですが、前に不足したお薬をお届けしたとき、とても家が散らかってして、ごみ屋敷みたいになっていました。
ひとりだし、腰も痛いから掃除もできないと言っていたので、私は何日か通って暇な時はおじいちゃんのお家を掃除しました。
何かしてあげてるという気持ちではなく、ただただ患者さんの喜ぶ顔が見たくてやっていたことでした。
その後、私が少し体調が悪い時期があり、それを知ったおじいちゃん患者さんが、私に是非漢方を飲んで欲しいと、漢方薬局に一緒に行こうと言われました。
どうしてもと言うので、仕事帰りに一緒に漢方薬局に行って相談してみたら、飲んでみろと言われ、漢方を私に買ってくれました。
お断りをしていたのですが、いつもの御礼だと言われました。
家族でもなんでもないのに、自分の汚い家を掃除してくれたことがすごく嬉しかったみたいなのです。
私はこうやって、自分のできる範囲内で患者さんのお役に立ちたいと常に考えています。
投薬の時、少しでも気になる患者さんがいる場合は、仕事が終わってから、症状が悪化してないか、薬を飲んでみて落ち着いたかなど、電話して聞くこともあります。
時間内で目の前の仕事だけを、自分の為にしているうちは、すごく疲れますし、やりがいも感じませんでした。
しかし、少しでも患者さんの為にと動いているうちは、全く疲れを感じないのです。
御礼を言われたくてやっているわけでもありませんが、患者さんが笑顔になってくれたり、いつもありがとうって言ってくれた時は、薬剤師になって本当に良かったなと感じます。
患者さんもたくさんいると、一人一人にかけている時間が減ってしまいますが、ほんの数分の投薬時間でも、その患者さんに自分ができる最大限のことをしてあげたいと思って働いています。
とてもやりがいがある、楽しい仕事です。
・このエピソードをお寄せいただいた方
性別:女性
年齢:30代
職種:薬剤師
勤務施設:調剤薬局
薬剤師としての経験年数:14年
勤務施設の規模(職員数):約10人
エピソードをお寄せいただき、ありがとうございました!